マネックス証券では米国株購入に掛かる最低取引手数料がこれまで5ドルだったのが無料になりました。これまで約11111ドルを超えないと、手数料が取引額に対して割高となっていましたが、今回、最低取引手数料を無料にしたことで、少額の売買でも手数料負けしなくなりました。
最低取引手数料が無料になった理由に、マネックス証券、楽天証券、SBI証券の競争もあると思いますが、新規証券会社の参入による競争激化とも解釈する事もできます。
今回は同じく少額から米国株が購入できることをウリにしているワンタップバイとマネックス証券を実際の取引を通じて比較してみました。
目次
1.手数料
1-1.購入時
1-2.配当時
1-3.売却時
2.税金について
3.購入までの操作性
1.手数料
今回は年間利回り約9%と高配当で有名なARCCエイリスキャピタルを15株購入したときで比較をしたいと思います。
(18ドル/株、110円/ドル、四半期毎の一株当たりの配当=0.42ドルに固定)
参考にそれぞれの証券会社の手数料を下にまとめました。
1米ドルあたり25銭の為替手数料+約定代金の0.45%
・ワンタップバイ
1米ドルあたり35銭
(つみたてロボ貯蓄「高分配・高配当コース」では1円)
1−1.購入時
約低価格✕約低数量✕手数料✕為替レート
18ドル/株✕15株✕1.0045✕110.25円/ドル
=29901円(内手数料:201円)
・ワンタップバイ
約低価格✕為替レート✕約低数量
18ドル/株✕111円/ドル✕15株
=29970円(内手数料:270円)
1−2.配当時
税引き前配当:一株あたりの配当✕持ち株数✕為替レート
0.42ドル/株✕15株✕110円/ドル=693円
内手数料:0.42✕15✕1=6円
・ワンタップバイ
税引き前配当:一株あたりの配当✕持ち株数✕為替レート
0.42ドル/株✕15株✕110円/ドル=693円
内手数料:0.42✕15✕1=6円
手数料が引かれた後、税金が計算され、受け取る金額が確定します。
受取金額:0.42✕15✕109✕0.9✕0.79685=492円
ARCCエイリスキャピタルは年4回の配当があるので、年間で492✕4=1968円受け取ることができます。税引き後の配当利回りは1968÷29700✕100=6.6%(税引き前の配当利回り:9.3%)とかなりの利回りを期待することができます。
また、配当金に係る為替手数料はマネックス証券もワンタップバイも1円と同じでした。ただし、為替レートの決定方法の違いにより若干ではありますが差が出ています。なお、マネックス証券の場合は米ドルでの配当金支払いになるため、為替レートが有利になったときに日本円へ振替することができます。
1-3.売却時
売却時についても、為替手数料はマネックス証券もワンタップバイも1円と同じです。
2.税金について
税金については日本の株や投資信託を買うのとは違う税制となります。米国株から配当がでると、配当金の10%が米国の税金として差引かれ、さらにその後20.315%が日本国内の税金として徴収されます。
つまり、100円の配当が出た場合には、実際には100×0.90×0.79685=72円が支払われることになります。
なお、米国分の税金は確定申告で外国税額控除をすれば取り戻すことができる場合があります。
3.購入までの操作性
特に感心したのはワンタップバイの操作性です。購入までの操作は非常に簡単で、スマホ世代の取り込みに本気だと感じました。多少手数料が高くても、楽な方が良いと思う人は多いので。20代・30代からの資産形成にはideco等を併用すれば十分活躍してくれると思います。また、シニア世代のインカムゲインにも寄与出来そうです。
残念な点は取り扱い株の種類が少ない点ですね。あえて少なくして迷える消費者に救いの導きをお示しくださっているためか、株主の意向のためかはわかりません。
せっかく手数料が下がったので、私はSBI証券で持て余しているNISA枠を利用して、VTIでも購入してみようかと思います。