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外国税額控除が自動適応されるETFをツイッターで教えて貰った

 先日、Twitter でフォローさせて頂いているハルさん(@haru_tachibana8)が米国株を購入する方法についてアンケート調査されていました。その中で見慣れないMAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信【2559】 (以下 MAXIS VT)という選択肢がありました。得票率は 5%と最も低かったのですが、良い ETF と言われていたことで非常に興味が湧いたので、MAXIS VT の特徴を調査し、国内 ETF と海外 ETFを最終評価額・IRR について比較してみました。


目次
1.外国税の二重課税調整とは
2.ETF を買うなら国内 ETF の時代に
3.個別株を買わない理由

 

1.外国税の二重課税調整とは

 まずはMAXIS VTの特徴を紹介したいと思います。資金の投資先は全世界に分散投資するVTと同じポートフォリオになります。それだけなら単純に経費率の低い本家VTを購入すれば良いのですが、このMAXIS VTの1番の特徴は2020年1月に開始された外国税の二重課税調整制度が適応される初めての国内ETFになります。

 これまでも確定申告を利用した外国税額控除が可能でしたが、10%の外国税が全て還付される訳ではありませんでした(国税庁の計算例では 3%程度)。ところが、2020 年 1 月より開始された外国税の二重課税調整という制度では、配当金の手取り額が約 10%増加することになります。これまで投資信託や海外 ETF が削り取ってきた 0.1、0.01%といった雀の涙ほどの僅かな手数料を考慮して金融商品を選択するよりも、この二重課税調整が適応される ETF を選択するだけで、遥かに効率的な投資が行えるようになりました。年々減少する東証の取引額を大きくしたいという思惑もあるのかもしれません。

 対象となる商品は分配金が出る国内投資信託と国内 ETF のみになります。NISA 口座はそもそも二重課税ではないので対象外。外国株式、海外 ETF 等は、投資信託等の二重課税調整制度の対象外の為、二重課税調整(外国税額控除)の適用を受ける場合、従来通り確定申告が必要です。

 この外国税の二重課税調整制度の開始に合わせて上場された国内 ETF が二つ。冒頭で紹介した MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信【2559】 (以下 MAXIS VT) とMAXIS 米国株式(S&P500)上場投信【2558】 (以下 MAXIS VOO) になります。つまり、この二つに投資するだけで、手取り分配金が NISA 口座:90%>国内 ETF:80%>海外ETF:70%と本家 ETF に比べて大きく増えることになります。

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 ちなみに売買による譲渡益については租税条例により国内のみ課税されます。

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(引用:楽天証券より)

 


2.ETF を買うなら国内 ETF の時代に

 そこで外国税の二重課税調整が適応される国内 ETF の MAXIS VOO と楽天 VTI と本家VTI を内部収益率(IRR)・最終評価額について比較してみました。前回からの続きのため、VOO と VTI を同じ土俵で無理やり議論しております。MAXIS VOO の手数料は交付目論見書から推定しています。

  信託報酬    0.0858 %
  年間上場料   0.00825 %
  商標使用料年率 0.05 %(上限)
  合計      0.144 %

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 その他の条件は前回と同じです。

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 最終評価額の結果は本家VTIと同程度になりました。

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 MAXIS VOOは二重課税調整される分、配当金の割合が多くなるため、IRRはMAXIS VOOの方が僅かに良くなりました。

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 再投資した場合の最終評価額は課税口座の中では最も良く、楽天VTIよりも約30万円高い結果となりました。

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 以上の結果から、今すぐにでもMAXIS VOOへスイッチするべきかというとそうではありません。なぜなら、
 ・本家 VOO の配当利回り 1.5%に対して、MAXIS VOO の配当利回りは 0.5%
 ・隠れコストが明らかになっていない。
 ・運用利回りが本家 VOO と比較して若干低い(手数料のため)
 ・資産規模が小さい
 ・流動性(換金性)が低い
 と、現状では上記のデメリットが二重課税調整のメリットを上回ってしまっている状況です。

 販売開始からまだ 1 年未満と日が浅いことから、スケールメリットが十分発揮できない資産規模が原因と思われます。今後数年で資産規模が 1000 億円を超えるようになると、手数料が相対的に低下し、二重課税調整された分だけ本家 VOO を超えるパフォーマンスを示すことはシミュレーションからも明らかです。さらに、本家 VT は二重課税どころか三重課税になるため、MAXIS VT は本家 VT の代替商品として、今後数年の間にかなり有力な候補になると思われます。3年後にジュニアNISAの非課税枠が無くなった時に購入を検討してみたいと思います。

 様々な項目を調査した結果、ハルさんの深慮遠謀をようやく理解することが出来ました。また、次回にでも本家VTとMAXIS VTの比較をしてみたいと思います。


3.個別株を買わない理由

 最近まで、市場平均をアウトパフォームするというロマンを追い求め、個別株を気の向くままに購入しておりました。ところが、散々たる結果に終わることが多く、今後の自戒の念を込めて、個別株を買わない理由をまとめてみました。
 ・個別株の分析をする時間がない
 ・直感は大体外れる
 ・10 倍テンバガー個別株を見出すセンスはない
 ・リスクを犯す程の資金がない
 ・個別株で疑似 VTI のようなポートフォリオを組む程の資金がない
 ・オススメ銘柄といったネットの情報を鵜呑みに出来ない

 これまでの短い投資活動を振り返ってみて、私には脳死で積立設定が合っていると考えるようになりました。日々の生活において仕事・育児・家事などの考えるべきことは多く、金融商品について熟考するために多くの時間を割くことは出来なくなってきました。時間を使うのであれば、大きく利益を増やすことが出来る投資方法(節税方法など)について短時間で学習し、残りの時間は子供と遊ぶために時間を割きたいと思います。