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情報は加工した時点で無味無臭ではなくなる

 データ・情報の見せ方を切り取り方(工夫次第)で、自分が伝えたい結論に合うようにできるんだなーだと改めて感じる事が多々あったので、思ったことを纏めて言語化してみました。切り取りは数字の羅列である株式市場に関する内容でももちろん可能です。

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目次
1.GAFAM を除く米国株は危ない?
2.日本株にするべき?
3.何にいつ投資したらよいのか?
4.まとめ

 

1.GAFAM を除く米国株は危ない?

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https://www.itmedia.co.jp/business/spv/2009/11/news032.htmlより

 一見すると、GAFAMを除くS&P495はTOPIX と10年のリターンに差がないように見えます。私がこのグラフから感じた違和感は「縦軸が大きすぎる」という点です。

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 そこでグラフを拡大・加工したところ、10年で約30%程度の差あることが確認出来ます。仮にGAFAM が生まれ なかった米国であっても約3%/年はTOPIXよりトータルリターンで優れていたと考えることもできます。ドル建て?円建て?インフレ調整?など不明な点が多いので 細かい事は言えませんが。

 その他にグラフから私が感じたことは2つ

①.どんな国であっても既存の大企業は大きく成長することが難しい

 組織が大規模になると、意思決定のスピードが遅くなることや、大胆なリスクを取れなくなることから、大きな成長は見込めません。それでも既存の大企業はスケールメリット先行者利益を利用して新興国市場でのマーケットシェア獲得=成長することが可能です。ただし、新興国の新興企業により後発者利益を利用してシェアを奪い返されることもあります。液晶パネルのサムスンスマートフォンのファーウェイ等が当てはまるかと思います。

②.生活に必要不可欠な価値を提供する企業(GAFAM)が 5 つも米国から創業された

 過去 20 年の時価総額 TOP10 企業を列記した表からは、産業の変遷が製造業→エネルギー →IT と移行しているにもかかわらず、常に米国企業が名を連ねていることがわかります。 これは単なる偶然でしょうか?

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三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券「マーケットの歴史」より作成

 

2.日本株にするべき?

 GAFAM を除く S&P495 のリターンが日本株と大差ないと考えるのであれば、日本株のインデックスの方が税制面の分だけ有利になります。世界で見つけることができる日本の企業・モノは「小売店外食チェーン店、工業製品、アニメ、ゲーム等々」ですかね。列記したら日本も凄いなーと改めて感じます。

 では、なぜ優れた技術やコンテンツを有する日本の大企業が米国の大企業に年率約3%の差を付けられてしまったのでしょうか。その理由の一つに行政手続・規制コストがあると考えます。欧米では行政手続の改善はビジネス環境の改善に直結するため、2000年代から手続きのIT化により約25%程度の改善を達成し、2010年代は手続きが増えないようにコントロールしています。

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平成 28 年度産業経済研究委託事業(規制・行政手続コスト削減の欧州事例調査研究)調査報告書より

 行政手続きコストを定量化する際のモノサシが国ごとに異なるので、とりあえず日本のみの資料になります。資料によると、行政手続コストが約6兆円とのことです。やはり手続き・仕組みはシンプルな方が良いですね。

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 また、規制コストに関する資料は定量化が難しいためか見つけられませんでした。しかしながら、ふるさと納税や携帯電話事業者への対応からもわかるように、これまでの自民党系の政権与党は規制することが好きなようです。もちろん、規制する事は必ずしも悪ということではありません。なぜなら私達のような弱者を守るために規制があるからです。

 以上の理由から、厳しいビジネス環境にある日本企業に全資産を投資する事を私はしません。全世界インデックス(VT)の投資割合で十分と考えます。

 

3.何にいつ投資したらよいのか?

3−1.何に投資するか?

 冒頭コラムの結論は「米国株の指数として S&P500 に代わる新しい指数が必要です。」というところで終わっています。騰落率のみのデータからはもちろんそう感じるのは無理もありません。といって新しい指数を作るのは無理なので、各年9月のPER(左軸)とPBR(右軸)の実績値をグラフにしてみました。

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https://myindex.jp/global_per_js_old.php?m=202009より

 PER・PBRの推移グラフからは、S&P500がコロナ前の水準に戻っても許容範囲。最高値を更新し続ける米国株はまだまだ健全であると私は考えます。 逆に、ITバブルは本当にバブルだったのだと数字からもよく解りますね(2010年2月米国PER最高値60.3)。

 行政手続・規制コストを含むビジネス環境の点から、GAFAMを除く米国株は今後も日本株を上回るパフォーマンスを示すと考えます。従って、私の主な投資先は米国になります。そこで、米国株を50%以上含む全世界インデックスを選択しています。

 さらに、GAFAMの全てが偶然米国から生まれたとは考えにくく、人類の英知が集う&規制が 緩い米国でGAFAMが生まれたことは必然であったと私は考えます。今後も既存製品・技術とソフトウェアの組み合わせでイノベーションを起こすテスラのような次のGAFAMが米国から創業・成長しているのが現状です。そういえば iPhone も既存技術の組み合わせに、優れた操作性を備えた OS に価値があったような。また、アメリカ在住のユダヤ人の存在も、今後の米国の成長に欠かせない存在となるでしょう。

 私の最終的なポートフォリオは米国株の割合を増やした、全世界:米国株=VT:VTI or VOO=50:50を採用しています。

 

3−2.いつ投資するか?

 サラリーマン投資家にとって、現在の第一目的は家族と余裕のある楽しい生活を送ることになろうかと思います。その目的達成のために必要な、資産目標値を設定しています。投資活動は資産目標値を達成するための手段。その手段は最小の努力で最大の結果を得る方法でなければならないと私は考えています。一日中チャートとにらめっこするような時間と努力を投じて、次の GAFAM を見つけ出し、億を超えるような資産を築いたとしても、第一目的を達成することが困難になってしまいます。

 一括で購入する纏まった資金があればタイミングを計る必要もあるとは思いますが、家庭内タスクが日々山盛りのサラリーマンにはそのタイミングを計るために政治・経済にアンテナを常に張っておく時間も無ければセンスもありません。

 従って、ドルコスト平均法による積立投資が最適解であると私は考えます。毎月の投資額は無理のない範囲で、資産目標値と想定利回りと運用期間から逆算するだけです。

 

4.まとめ

GAFAM を除く S&P495 は魅力的な投資先
GAFAM を含む S&P500 はさらに魅力的な投資先
日本という弱者に優しい国に住みながら、規制の緩い(弱者に厳しい)米国等に投資をすることができる

複数のデータ・情報が結論を支持しているかどうかで、結論の正しさを判断する