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貧乏暇なしB型ブログ

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ジュニアNISAを開設したので、本家VTIと楽天VTIの利回りをシミュレーションしてみた

 ジュニアNISAに申し込みを行い、積立を開始致しました。今回はその経緯とジュニアNISAでの投資戦略を紹介したいと思います。

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目次

1.ジュニアNISAが生まれ変わった
2.本家VTIvs楽天VTIのシミュレーション
3.含み益とIRRの比較
4.考察&まとめ

1.ジュニアNISAが生まれ変わった

 過去記事でも全く触れなかったジュニアNISAですが、当時は利用価値はないと考えていました。その理由は、
 ・後発のつみたてNISA、iDeCoの方が非課税効果が大きい
 ・子どもが18歳になるまでの払い出し制限がある
 ・そんなに投資に回せる余裕がなかった 

iDeCo・NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA? - 貧乏暇なしB型ブログ

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(引用:金融庁

 ところが、令和2年度税制改正が可決・成立したことで、大きな欠点であった払い出し制限が撤廃されることになりました。

 所得税法等の一部を改正する法律案より抜粋
  成立日:令和2年3月27日
⑵ 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置について、次の措置を講ずることとする。(租税特別措置法第9条の9、第37条の14の2関係)
① 令和6年1月1日以後に、未成年者口座又は課税未成年者口座内の上場株式等又は預貯金等をこれらの口座から払い出した場合には、当該払出しによる未成年者口座の廃止の際、当該未成年者口座内の上場株式等の譲渡があったものとして、本非課税措置を適用し、居住者等はその払出し時の金額をもってその上場株式等と同一銘柄の株式等を取得したものとみなす。この場合において、当該未成年者口座の廃止までの間の当該未成年者口座内の上場株式等の譲渡等及びその間に支払を受けるべき未成年者口座内の上場株式等の配当等については、源泉徴収を行わないこととする。
第201回国会における財務省関連法律 : 財務省

 改正された点は、2024年以降はいつでも払い出し可能になった点です。

 ジュニアNISAの制度内容をまとめると、
  ・非課税投資枠:最大80万円/年(2020〜2023年までの4年間で合計320万円)
  ・非課税期間 :最長18年
  ・投資対象  :株式、ETF投資信託(海外含む)
  ・売却益・配当についても非課税
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(引用:SBI証券

 法改正により、ジュニアNISAはNISAとつみたてNISAのイイトコ取りをしたような制度に生まれ変わりました。つみたてNISAでは出来ない株式とETFを最長18年間も非課税で運用出来るのが大きな魅力となりました。また、コロナウイルスの影響を大きく受けるこの1,2年に投資出来るのも大きなポイントかもしれません。

 2.本家VTIvs楽天VTIのシミュレーション

  ジュニアNISAでは投資の選択肢が増えたので本家VTIと楽天VTIの比較をしてみました。設定した条件は下表になります。2023年12月までの66000円/月を40か月積み立て、それ以降は非課税のまま18歳になるまでの176か月保有しています。
 ちなみに、ジュニアNISAで本家VTI等の海外株・ETFが購入可能なのはSBI証券だけです。

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 見せてもらおうか、税の繰り延べ効果とやらを ( ´艸`)

3.含み益とIRR(内部収益率)の比較

 含み益はやっぱり楽天VTIの完勝ですね。

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 その差は約40万円です。本家VTIも積立中に約120万円の配当金がもらえる点が魅力的ですね。個人的には朝三暮四じゃなくて朝四暮三がいい!

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 この何とも言えないキモチを数値として具現化したい!ということで、最近覚えた内部収益率(IRR)を使って利回りの計算をしてみました。IRRについては下記サイトで分かり易く解説されていますので参考に。

  IRRは本家VTIの方が大きくなりました。投資額が同じであれば、IRRが大きいほど投資効率が良いはずなのに、含み益とIRRで矛盾を起こしてしまいました。

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 この逆転現象が起こってしまう理由は、IRRは配当金を同じ商品に再投資することが前提条件とされているためです。そこで、配当再投資原理主義者の如く、配当金を再投資した場合の最終評価額をIRRから逆算して求めました。その結果、本家VTIの評価額は最終的に780万円程度になることがわかりました。ここで注意しなければならないのは再投資には課税口座でしか再投資できないという点です。ちなみに、下表では課税口座での再投資分(¥815,622)に対する課税は考慮しておりません。

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 なぜなら、再投資評価額の配当に対する課税。さらに、その配当を再々投資した含み益に対する課税。(ry
 上述ように計算がエンドレスに複雑になるため、税引き後の金額は私では算出できません。その一方で、下段の課税口座の方は最初から税引き後のIRRを使用しているため、税引き後の金額になっていると思われます。

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4. 考察&まとめ

 NISA・課税口座ともには本家VTI
 最終評価額に対する手数料の影響はそれほど大きくない。その人の嗜好による。むしろ長期間の非課税効果がデカイ。
  ・配当金で生活を豊かにしたい   ⇒本家
  ・配当金を再投資する作業が楽しい ⇒本家
  ・配当金に手を付けたくない    ⇒楽天

 また、値上がり率を5⇒7%にするだけで、最終評価額1000万円超えになります。本家か分家かで迷うよりも、投資商品の選定に迷った方が良いように思えてきました(笑)。私はもちろんVT:VTI=50:50の脳死つみたて設定です!

 

 その他にもパラメーターをいじって遊んでみて、気が付いたことを列記します。

非課税による効果は値上がり率:+1.14%、配当利回り:+1.29%と等しい
楽天VTIの実質コストを0.06%にすると、課税口座IRRが楽天VTI=本家VTIとなる
 ⇒基本的に本家ETFの方がIRRは有利になる場合が多い
・円貨決済手数料の25銭スプレッドは含み益に約2万円(IRR:0.01%)しか影響しない
楽天VTIの手数料を0%にしてもNISA口座の本家VTIのIRRには勝てない
配当利回りが1%上がるよりも値上がり率が1%上がる方がIRRの上昇値が大きい(0.05~0.12ポイント)

 あれこれと試算しましたが、ジュニアNISAは家族に未成年の子供がいる世帯が非課税で長期間の資産運用ができる貴重な制度になります。ぜひ活用してみては如何でしょうか。